風とおし***

シンプルに暮らす。。。

実家じまい***

今まで気づきませんでした。

こんな大きな紅葉の木が家の裏側にあったなんて。

 

もちもちの木を思い出させるような豪快な姿。

よく見ると可愛らしい紅葉の葉がいっぱい秋色に色づいてさわさわ揺れています。

家の表側にある大きな桜の木の存在の方が大きくて

この紅葉の木までじっくり見ることがありませんでした。

家周りがすっかり見渡せるようになった今

この紅葉の存在が際立つように。

 

  

改めて

こんにちわ。

貴方綺麗です。

      *****

 

お父さんが亡くなって10年。

空き家になってしまった実家を

夫がひとり管理してきました。

盆と正月には家の廻りの草を刈り

雨戸が壊れたら修理をしたり

彼ができる事をしてきていました。

 

築100年以上経ち老朽化も進んでいましたが

大きな古民家で

今まで何度か<売って欲しい>という声もありましたが

夫はその話になんとなく耳を傾けませんでした。

いい話だなあと私は思っていたけれど

~今まで先祖が守ってきたものを簡単にそんなことできない~

夫にしかわからない感覚。

私にはわからない感覚。

こういうことは心があるから。

だからこの家の事は

私は夫に任せていました。

その実家が火事に遭いました。

いづれ余裕が出来たら解体して処分しようと考えていた家でした。

それでも

こういう最後になるなんてと。

全焼でした。

でも類焼がなかったのがせめてもの救いでした。

そして

警察の方と消防の方の優しさに

救われました。

後はぼちぼちと自分たちで出来る整理をしていこう。

 

 

 

いつもの年末の掃除が

今年は少し大がかりになりそうです。

 

 

 

全焼と言っても

大きな太い梁は

表面だけが焼けた状態で

中は綺麗なまま。

短く切り刻まれた姿もなんだか立派に見えます。

これは阪神大震災の時も倒れなかったはずと

消防の方も言っていたそう。

 

この木は全て梁。

この重たいものが屋根の下に何本もあったのだと思うとすごい。

昔庄屋だったお家。

造りがものすごくしっかりしていました。

私たちにもう少し力があれば

こうなる前に

違う形で再生出来たかもしれないのになと

少し後悔する気持ちもあります。

実家じまいが

こんな形で突然始まったけれど

先になるか

後になるかの違いなんだと。

今まで乗り越えてきたいろんな事に比べたら

こんなこと大したことじゃないと夫。

逞しいなと。

彼は少し頑張りすぎるところがあるから

私はストップ係として見守ろうと決めました。

 

後数年頑張れば

自分たちの暮らしも少し落ち着いてくるだろうから

それまで無理をせずいこう。

今日も心配して電話をくれた方がいました。

<あの立派な木。薪に使えるよ>って。

<どうぞ自由に使ってください>と夫が言うと

<お父さんに似て豪快な人やなあ>と笑っていたそう。

<何か力になれることあったら言ってよ>

世の中捨てたものじゃないなあと。

人の心の優しさを感じた日でした。

 
 
 
 
 
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A post shared by TomokoAoki 青木 智子 (@sorahaao)